伝統技法で作る、渦文様のパッケージ

永遠に、ご縁が続くことを願って…

「うず巻き」は「永遠」を意味します。
新しいご縁が広がり、そのご縁が続いていくように…という願いを込めました。
バームクーヘンを切ったときに見える年輪と、
オーブンで回りながら焼き上がる様子からイメージを膨らませました。
シャボン玉のように拡がり、浮遊性が感じられるデザインに仕上がったと思います。

──堀木エリ子 

守り続ける「引っかけ」の技法

6月下旬、堀木先生の案内で訪れたのは「山伝製紙」(福井県越前市)。
1500年の歴史を持つとされる「越前和紙」の産地で、明治初年頃に創業した製紙会社です。

古くから受け継がれる技法を使った模様紙をはじめ、伝統的な技法と新たな技術を組み合わせ、現代のニーズに応じた新しい製品の開発にも力を入れています。

パッケージに使われる渦文様の和紙は、「引っかけ」という伝統技法によって作られています。
雁皮(がんぴ)・三椏(みつまた)など紙の原料となる繊維を薄い金属の型板に引っ掛け、漉き合わせることで和紙に模様をつける技法です。
均一の柄で印刷した紙にはない、活き活きとした繊維の表情が感じられます。
一つひとつ個性的な繊維の動きは、見る角度によって違った美しさを楽しむことができます。

「引っかけ」は大切に守ってきた伝統の技法。
工場には、パッケージに使われている「うず巻き」の他にも、「菊水」「小梅」「鳴門」など古くからの金型がずらりと並んでいました。

しかし、近年ではこのような道具を作る職人も少なくなり、金型は大変高価なものだといいます。
「修復しながら大切に大切に使っています」
山伝製紙の山口和弘社長はおっしゃっていました。

現代につながる“伝統”をパッケージに

伝統の和紙と昔ながらの紋様を用いて、現代のデザインへ。
「過去から現在、現在から未来へつなげる」
堀木先生の世界観がバームクーヘンを包むパッケージとして広がります。

私たちのつくるバームクーヘンにも守りたい伝統があります。
ぜひ、より多くにみなさまにお手にとっていただき、現代につながる“伝統”を感じていただければと思います。